みなさんは緊張する方ですか?しない方ですか?
大抵の人は大勢の前で何か発言したり演奏したりする時、よく緊張しますよね。
私は音楽家という身分上、人前で演奏したり自分を表現するのが日常なのですが、ここ数年演奏会や試験などで全く緊張しなくなりました。
いつも周りに何で緊張せずにいられるの?と聞かれる私ですが、以前はかなりの緊張しいで、緊張のせいで音震えてしまう、緊張のせいで成果が出せない、ということが常々ありました。
そんな私が長年かけて分析・実践を繰り返し、緊張を克服できた方法を今回はシェアしたいと思います!
緊張を克服するきっかけになった試験
私は4年間音大に通っていたのですが、2年目の夏にあった実技試験がきっかけとなり、緊張を徐々にコントロールできるようになりました。
それまで私は演奏前はガチガチに固まってしまい、
「緊張してはいけない」と思っても震えが止まらなかったり、深呼吸しても手のひらに人を書いて飲んでも全く効果がありませんでした。
ですがその日、試験前にある同期の子に校内で出くわした時、その子が言った言葉で緊張が消え去りました。
「今日朝5時まで飲んでて10時から試験やったけど全然いけたわ!」
と。
年に2度の一番大事な実技試験。そうそうたるメンツの教授たちの前で演奏する試験なのにも関わらず、彼女はそう言い放ちました。
緊張しないのかと聞くと、「しても意味無くない?」と。
たしかにその通りだなと思ったものの、意味がなくてもするのが緊張なのにと思いました。
「別にたかが試験やし間違えても死ぬわけじゃないからいいやん。楽しんできて!」
と言われ、たしかにな、と妙に納得しまったのです。
ですがそう思うと肩の荷が下りて、とても良い緊張感でリラックスして演奏できました。
その結果、学年一位という成績をいただくことができました。
そこから、何か緊張することがある時は友達の言葉を思い出すようにしました。
人が緊張する理由
私がその試験で緊張を回避できた後も、緊張してしまうことは度々ありました。
でもなぜ緊張する時としない時があるのか?
と心理的側面から自己分析していきました。
結果からお伝えすると、
人間が緊張する理由は
- 初めての事や慣れない事をする時
- 自信がない時
- 準備不足の時
- 実力以上の成果を発揮しようとする時
- 大事な何かがかかっている時・結果や評価を気にする時
主にこの6つです。
自分が慣れていない事・経験の無い事をする時、「失敗しないかな」「自分にできるかな」といった不安な気持ちが生まれます。
その不安が緊張を生みます。
そして自信がない場合も然り、自分の実力を信じられないといった不安の感情を持っていると、それも緊張につながります。
プレゼンをする、面接を受ける、コンサートで演奏をするといった場合、十分に準備していれば自信をもってできますよね。
もし少しでも、「あそこもうちょっと準備しないといけなかったけど時間なかったな」「あの箇所練習不足だけど成功するかな…」などと考えていると、失敗する可能性を懸念してしまい、不安が生まれるため緊張します。
そして本番で自分の実力以上の力を出そうとする場合。練習でできないことを本番でできることは稀ですので、もう本番になれば諦めてください。(笑)
本番に強いということにもつながると思いますが、本番に強い人は緊張もコントロールできて、アドレナリンの効果との相乗効果で本番に最高のパフォーマンすができるのです。
そしてそういう人は緻密な事前準備、練習をしています。
最後に、何か大切なものがかかっている場合。
これは結果・評価に固執しすぎて単純に内容に集中していない・集中できないためです。
「これを必ず成功させなければ終わり」などと思っている場合は、失敗を恐れて目の前のことに集中できておらず、結果にフォーカスしてしまっているからです。
その場合もし途中で小さなミスをしてしまったら「どうしよう…」と焦ってしまい、余計に不安を招きます。
どうやったら緊張を無くせるのか?
では一体どうしたら緊張を防げるのかというと、
- 準備を徹底して不安要素を無くす
- 楽しむ
ということです。
そして緊張することは悪いことではありません。逆に良い緊張感を持って臨めれた方が、より良いパフォーマンスが発揮できたりします。
ただ緊張しすぎて失敗しないためには、
- できる限りの準備をして不安要素を無くす
- 物事に集中して楽しむ心をもって臨む
ということ。
最後に
私はここ三年の演奏で緊張したことはありません。
ドイツの大学院入試も、卒業試験のリサイタルも、スイスの入試も、オーケストラのオーディションも全く緊張せずに100%いつも通りのパフォーマンスができています。
ちなみにドイツではコンクールや試験などで次に演奏する人に対して、
「楽しんで!」という意味の“Viel Spaß!” という声かけをします。
「頑張って!」ではなく「楽しんで!」という文化、すごい良いなあといつも思います。
みなさんも周りに緊張している人がいればぜひ言ってみてください!
この私が克服した方法がみなさんにも効きますように。
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