こんにちは!
今回はよく聞かれるドイツ音楽留学に関する質問をまとめてみました。
ドイツ留学を考えている人はぜひ一読してみてください!
Q1.ドイツの音楽大学に入るにはどのぐらいのドイツ語レベルが必要ですか?
A. 各大学によって定められている語学は違いますが、入学時に「B1」を必要としている学校が多いです。
というのもB1というのは中級レベルにあたる試験ですが、B1を持っていると「身近なテーマや興味のある領域について、簡単な表現でまとまった内容を伝えることができる」と証明されることになります。
授業内容を理解したり周りの人たちと問題なくコミュニケーションできなければ、大学へ入れても得られるものは少ないでしょう。
もし自分の志望校がドイツ語試験を必要としていなくても、B1に受かる程度のレベルであればドイツで大学生活を始めるにあたって困らないと思います。
各大学の基準は各々のサイトの入試情報などに記載されているのでそこで確認しましょう。
私の知っている限りの情報だと、
- シュトゥットガルト 語学試験不要
- カールスルーエ 入学時にB1、入学後1ゼメスター以内にB2
- ワイマール 入学時にC1(猶予あり)
といった感じです。
語学はすぐに上達する物ではないので、余裕を持って準備しましょう。
ちなみにドイツ語の試験はゲーテ・インスティチュート以外でも可能です。
ドイツで公式に認められているB1・B2・C1の試験を行っている協会は
- Goethe Institut ゲーテ・インスティトゥート
- Telc
- inlingua
この3つです。
(日本にあるドイツ語検定やTestDaFはまた違った基準の検定試験です。)
日本ではゲーテ・インスティトゥートでしか試験が実施されていませんが、ドイツに行けばTelcやinlinguaでもB2やB2の試験を受けることができます。
レベルもTelcやinlinguaの方が少し優しいので、現地に行ってから試験を受ける方が受かりやすいかもしれません。
ちなみに、合格基準は100点満点中60点以上なので、仮に60点しか取れなくても合格になります。
もしドイツ語試験が難しいから今回の入試を諦めようかなと考えている人がいれば、とりあえず受けてみることをおすすめします。
私はB1を入学前にドイツのゲーテ・インスティトゥートで取り、入学後はinlinguaの個人レッスンに通っていたので、inlinguaでB2を取りました。
Q2. ドイツに留学するにはどのくらいの費用がかかりますか?
A. ドイツの大学院に2年間留学するなら最低350万円必要。
留学費というのは人それぞれの生活によって違います。
この350万円という金額は、
- ドイツの大学院に正規入学して2年間通う
- 生活費は月10万円
- 一時帰国はしない
という条件で計算した額です。
ドイツは数年前まで学費は完全無料でした。
これまではドイツの税金で運営費が賄われていたのですが、近年外国からの留学生が増えたため、ヨーロッパ人以外の外国人留学生は
1ゼメスターにつき1,500ユーロ(約185,000円)の学費を払わなければいけなくなりました。
それでも日本の国公立よりもはるかに安い金額です。
本当にドイツは学生に優しい国だと思います。
一番かかる費用が生活費です。
これはドイツでビザを取得する方法 という記事にも書きましたが、ドイツで1ヶ月生活するのに必要とされているのが、853ユーロ(約105,000)です。
単純計算すると、
- 生活費 月105,000円×24ヶ月=252,0000円
- 学費 1ゼメスター185,000円×4ゼメスター=740,000円
- 渡航費 100,000円
合計 3,360,000円
もちろん入学後も語学学校に通ったり、旅行したりするともっと費用はかかりますが、最低この金額があれば留学が可能といえるでしょう。
正規学生であれば制限はあるものの現地でバイトをすることもできまし、ドイツの大学で奨学金をもらうこともできます。
またJASSO(日本学生支援機構)から海外留学のための奨学金を借りられたり、色々と手段はありますので、金銭的に厳しいからと諦めずに方法を探っていきましょう!
Q3. ドイツの音大のレベルは高いですか?入試の難易度は?
A. ドイツの音大のレベルは個人差がかなり大きいですが、学部(Bachelor)で入学するのはかなり難しいです。
というのも、ドイツの音大の入試は学部の受験生と修士の受験生混ぜこぜで行われます。そして演奏の出来が良かった人を枠が空いている人数分、上から順番に取ります。
ということは、高校を出たばかりの人と学部を既に卒業して大学院を受ける人が同じ土俵で戦うことになります。
だからなのか、学校にいる学部生は上手な人がばかりです。
先生によっては、これから見込みがありそうな学部生を取ることももちろんありますが、基本このようなシステムになっているので、大学院で受験する方が比較的容易ではあると思います。
また、学部の受験生は聴音や和声法などのTheorieの試験にも合格しなければいけません。もちろん試験内容はすべてドイツ語です。
日本だとやはり国公立の芸術大学は倍率が高く、レベルも非常に高いですが、ドイツには学校自体のランキングというものは特にありません。
というのもHochschule für Musik(音楽大学)はすべて国公立です。
ただベルリンのUDK(Universität der Künste Berlin)だけは別格で難しいです。というのもUDKはドイツで唯一の芸術総合大学なんですね。
Hochschuleは大学と訳しつつも、専門学校のような扱いなので、実際に総合大学として存在するのはこのUDKだけなのです。
ドイツへ留学したいと思っても、果たして自分が受かるレベルなのか、どこまでのレベルになれば合格できるのか…と留学に踏み出せずにいる方も多いようです。
その場合は一度現地の先生のレッスンを受けてみたり講習会に参加して実際に質問してみたら良いでしょう。
ちなみにドイツの大学は同じ学科を2回落ちてしまうと二度と受けることができなくなりますので、とりあえず受けてみるより、しっかり準備してから受けることをおすすめします!
Q4. 留学の準備はいつから始めたら良いですか?
A. 思い立ったが吉日、今日から始めましょう!
いつか留学したいな〜、大学卒業したら留学しようかな〜と考えている人は今すぐにでも準備しはじめることをおすすめします。
前述の項でも書きましたが、ドイツなりフランスなりイタリアなりどこに留学するにしても語学の習得が必須になります。
たとえ英語ができても、入学には語学証明が必要だったりレッスンや実生活に現地の言葉は絶対必要です。
そして日本人は外国語を習得するのに時間がかります。
ドイツ語と同じゲルマン系統の言語である英語を母国語とする人がドイツ語を習得するのは話が違います。
もし留学したいなと思っているなら勉強だけは始めておいても損はないです。
そして学校探しや先生探しもできる範囲でしておきましょう。
もし気になっている先生が日本に来てコンサートをする、講習会をするなどという機会があれば積極的に参加してみたり、夏休みに海外のセミナーに参加しに行ってみたり、留学前にしておくと早く確実に希望する大学や先生の下で勉強できるようになります。
そして最も重要なのは、情報収拾。
この時代、情報を持っている人の勝ちです。
そしてネットやYoutube等で無料で得られる情報がたくさんあります。
自分が留学したいと思っているなら、徹底的に何をすべきなのか調べて、いつ入試があるのか、今回は合格枠がたくさんあるのか等、有益な情報を調べ尽くしましょう。
海外では様々な場面で年齢制限が設定されていることが多いです。
日本で学部を卒業後してからゆっくり準備をしていけばいいやと思っていると損するかもしれません。
例えばドイツのオーケストラに入るにはオーディションを受ける必要がありますが、オーディションには招待をもらう必要があります。
大抵の場合、プロのオーケストラでの経験が無かったりオーケストラのアカデミーやプラクティクム(インターン)の経験が無いと、100%招待は来ません。
アカデミーやインターンにもオーディションがあり、受かるのはプロのオーケストラのオーディション並みに難しいです。そして受けられるのは26歳までの学生。
これを知らずに日本でゆったりしているとドイツのオーケストラに入るチャンスを失います。
自分が将来どうしたいのかを明確にして、着実に準備していくことが大事ですね!
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