ドイツの音大の選び方【志望校の選択ポイントとは?】

ドイツに留学したいと思ったらまず一番にすべきなのが、先生探しと学校選びです。

むしろそちらが先行してドイツ留学を決める人も多いですが、まだどこに行こうかどの先生に習おうか迷っている人へ、今回は大学選びのアドバイスをしたいと思います!

ドイツの国公立音楽大学は全部で24校

ドイツには各主要都市に1つ国公立の音楽大学(Hochschule für Musik)があり、その数は24校です。

(協会音楽大学、私立音楽大学などを除く一般公立音楽大学)

北から順に、

  • ロストック音楽・演劇大学 Hochschule für Musik und Theater Rostock
  • リューベック音楽大学 Musik Hochschule Lübeck
  • ハンブルク音楽・演劇大学 Hochschule für Musik und Theater Hamburg
  • ブレーメン芸術大学Hochschule für Künste Bremen
  • ハンスアイスラーベルリン音楽大学 Hochschule für Musik Hanns Eisler Berlin
  • ベルリン芸術大学(UDK)Universität der Künste Berlin
  • ハノーファー音楽・演劇大学 Hochschule für Musik, Theater und Medien Hannover
  • デトモルト音楽大学
  • デュッセルドルフ・ロベルトシューマン音楽大学 Robert Schumann Hochschule Düsseldorf
  • ケルン音楽・舞踊大学 Hochschule für Musik und Tanz Köln
  • デトモルト音楽大学 Hochschule für Musik Detmold
  • フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽・演劇大学ライプツィヒ Hochschule für Musik und Theater Flix Mendelssohn Bartholdy Leipzig
  • ドレスデン・カール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学 Hochschule für Musik Carl Maria von Weber Dresden
  • ヴァイマール音楽大学 Hochschule für Musik Franz Liszt Weimar
  • フランクフルト音楽・舞台芸術大学 Hochschule für Musik und Darstellende Kunst Frankfurt am Main
  • マインツ音楽大学 Hochschule für Musik Meinz
  • ヴュルツブルク音楽大学 Hochschule für Musik Würzburg
  • ニュルンベルク音楽大学 Hochschule für Musik Nürnberg
  • マンハイム国立音楽舞台芸術大学 Staatliche Hochschule für Musik und Darstellende Kunst Mannheim
  • ザールブリュッケン音楽大学 Hochschule für Musik Saar
  • カールスルーエ音楽大学 Hochschule für Musik Karlsruhe
  • シュトゥットガルト音楽・演劇大学 Staatliche Hochschule für Musik und Darstellende Kunst Stuttgart
  • ミュンヘン音楽・演劇大学 Hochschule für Musik und Theater München
  • トロッシンゲン音楽大学 Staatliche Hochschule für Musik Trossingen
  • フライブルク音楽大学 Hochschule für Musik Freiburg

ドイツの音大は学校ごとにレベルが違うという訳ではなく、クラスによってレベルは様々です。

なので学歴を学校名で判断される訳ではなく、先生の知名度の方が重要視されています。

なので「自分の習いたい先生が教えている大学を選ぶ」というのが一般的です。

先生を選ぶためにまずはみんなVorspielをしに色んな先生のところへ行きます。

その中で自分の気に入った先生を見つけられたら、その学校の入試を受けることに決めます。

Vorspielについてはこちらを参照してください。

学校選びのポイント

ドイツの学校選びで大事なことは、

  1. 先生との相性
  2. クラスの雰囲気
  3. 学校の規模と立地
  4. Platzの有無

この4つです。

ひとつずつ解説していきますね。

その1. 先生との相性

一番重要なのは先生との相性です。

学部なら4年間、修士でも2年間毎週のように個人レッスンをしてもらう先生との相性はとても重要です。

たとえ先生が素晴らしい奏者で有名な人だったとしても、レッスン方針が自分に合わなければ上達もしづらかったり、

人間性が合わなければあとあとストレスも溜まってきてしまい結局は学校や先生を変える、ということにもなりかねません。

なのでVorspielを事前にして相性を確かめておくということが必要なんですよね。

先生との関係性で留学の内容も楽しさも充実度もかなり左右されます。

「奏者として好きな人」と「先生として素晴らしい人」というのは必ずしも一致するわけではありません。
先生の演奏スタイルや教え方、人間性なども見つつ

自分がこの先生に習ったらこういうことを改善できるだろう」というポイントを見つけて、先生探しをするといいですね。

その2. クラスの雰囲気

音楽大学は一般大学と違ってクラス・門下というものがありますね。

クラスの雰囲気というのも大学生活には重要な要素になります。

これはクラスに馴染めるかということ以外にも、クラスメイトのレベルや演奏スタイルも見極め要素のひとつになります。

レベルの高いクラスに身をおけばそれだけ自分も周りからよい影響を受けたり、切磋琢磨して成長することができますよね。

あまりにも自分と違うスタイルの人ばかりだと、その門下に入ることで自分のスタイルを変えなければいけなくなりかねません。

先生によっては自分と同じスタイルしか認めない、というレッスンをされる人もいます。

またクラスによっては、ドイツ人がいなくてアジア人が多いクラス、スペイン人ばかりのクラスなどといった国籍の特徴もあります。

そういった面でも自分がそのクラスでやっていけるか、良い人間関係を築けそうかというところも判断基準になります。

その3. 学校の規模

ドイツの音大の規模はまちまちです。

首都のベルリンや、州都のシュトゥットガルトやフランクフルトなどは学校自体の規模も大きいですし、有名なオーケストラもたくさんあります。

規模が大きい学校の良いところは、学生数が多くオーケストラのプロジェクトや室内楽のコンサートがたくさんできるということです。

ドイツの音大では日本の音大のように毎週定期的にオーケストラの授業があるわけではなく、各ゼメスター(学期)に数回プロジェクトがあり、

その直前の1〜2週間で集中練習して本番というだけの単発のものです。

それが学生数が少ないとどうしても弦楽器が足りずいつも駆り出されることになるので、オーケストラでの演奏経験や大規模なコンサートの機会が少なくなってしまいます。

ピアノや声楽の人にはとっては関係ないと思うかもしれませんが、オーケストラの機会が少ないと、もちろんオペラやピアノ協奏曲をする機会なんぞめったにめぐってはきません。

そういった意味でも、規模の大きい学校に行くと様々なチャンスを得られるという利点がありますね。

また大きな都市だと有名なオーケストラがたくさんあるので、コンサートに頻繁に行くことで学ぶこともできるし、

もしかしたらエキストラの仕事やプラクティクム(インターン)をする機会を得られるかもしれません。

以上が学校の規模が多く立地が良いということの利点です。

その4. Platz(プラッツ)の有無

Platz(プラッツ)とはドイツ語で「席・場所」という意味の単語ですが、ここでいうPlatzとは、

その先生が持てる生徒数の枠」のことです。

ドイツの音大では、各先生が持てるPlatzの数が定められています。

学校や先生、専攻にもよりますが、非常勤や講師でない正規の教授であれば約10人。

いくら「この学校に行きたい!」と思ってもPlatzの空きがなければそもそも入試が行われません。

例えば、クラス10人のうち今学期卒業する人が2人いれば、その学期の入試で2人新しい学生をとることができます。

※交換留学やKontaktstudiumの人は人数に換算されません。

(Kontaktstudiumって何?という方はこちらの記事で確認を!↓)

なのでもし習いたい先生が見つかったのならまずは先生もしくはクラスの人と連絡をとって、空きのあるPlatzがあるのかを確認しましょう。

入試前にコンタクトをとるのが必須な理由は、Vorspielをする以外にもこのPlatzの空き状況を確認するという目的もあります。

先生とコンタクトを取る方法

行きたい学校・習いたい先生がいくつか絞れたら、Vorspielをされてもらえないか尋ねるもしくはPlatzを確認するためにも、先生に連絡してみましょう。

これは具体的にいつの入試を受けたいのか、いつドイツへ行くのかなどはっきり決めてから連絡しましょう。

「いつか受けたいです」と送っても意味がないので、具体的に簡潔に書きましょう。

先生方は同じような連絡を常にたくさんもらっているので、その辺も考慮しておきましょう。

先生にアポと取るためには、知り合いの門下生に教えてもらうか、その先生の講習会に行くというのが手取り早く返信も返ってきやすいと思います。

でも実は各大学のサイトに先生への公式な学校用のメールアドレスが載っていたりします。

なので知り合いがいなくてもそこから連絡することできます。

最後に

ここまで以上4つのポイントについて解説してきましたが、学校選びのポイントは人それぞれあっていいと思います。

これらはあくまで私の経験からの知識なので、各々のやりたいことができる学校を見つけられたらそれでいいと思います。

もし留学したいけどどこから手をつけたらいいかわからない、とう方はぜひ参考にしてみてください。

コメントを残す