【音楽家のための】レッスンやオーケストラで使えるドイツ語♪

ドイツ語圏の先生にレッスンを受けるにあたって必要になるのが、「ドイツ語」です。

ドイツ人であればほとんどの人が英語を話せますが、講習会やドイツの大学に入ったり他の学生のレッスンを聴講しようと思えば、ドイツ語は必ず必要になってきます。

今回は実際にレッスンを受けるにあたって必要最低限のドイツ語単語・フレーズをシェアしたいと思います。

あいさつと自己紹介

もし講習会や公開レッスンなど、初めて受ける先生や一回きりのレッスンの場合はもちろんあいさつと自己紹介をしますよね。

Hallo, ich bin 〇〇. Freut mich.

(ハロー イッヒ ビン 〇〇. フロイト ミッヒ)

=こんにちは、私は〇〇(名前)です。初めまして。

この一文でOKです。

日本でレッスンを受ける場合は通訳がつくことがほとんどだと思いますが、あいさつだけでもドイツ語で言えるようにしていくとやはり印象は良くなりますよね。

「〜を演奏します。」

レッスンの初めに、まず何を演奏するかを聞かれると思います。

Ich spiele 〇〇.

(イッヒ シュピーレ 〇〇.)

=〇〇を演奏します。

この〇〇には曲名を入れることも、作曲家の名前を入れることも、楽器名を入れることも可能です。

例)Ich spiele Geige. ヴァイオリンを弾きます。

Ich spiele Mozart. モーツァルトを演奏します。

Ich spiele die Sonate von Bach. バッハのソナタを演奏します。


そして、楽章を指定したい場合は、「楽章」という意味の“Satz”を使います。

Ich spiele erste Satz.

イッヒ シュピーレ エアステ ザッツ.

=第1楽章を演奏します。

  • 1楽章 erste Satz(エアステ ザッツ) 
  • 2楽章 zweite Satz(ツヴァイテ ザッツ)
  • 3楽章 dritte Satz(ドリッテ ザッツ)
  • 4楽章 vierte Satz(フィアーテ ザッツ)

ちなみに声楽の場合は、spieleではなく「歌う」という意味の動詞 “singen” を使います。

Ich singe 〇〇.

= 〇〇を歌います。

楽器の名前

ドイツ語での楽器の名前は英語ともフランス語ともまた違います。

主な楽器名は以下の通り。


  • ピアノ Klavier (クラヴィーア)
  • ヴァイオリン Geige(ガイゲ)
  • ヴィオラ Bratsche(ブラッチェ)
  • チェロ Violoncello/Cello(ヴィオロンチェロ/チェロ)
  • コントラバス Kontrabass(コントラバス)
  • フルート Flöte/Querflöte(フレーテ/クヴェルフルーテ)
  • ピッコロ Pikkolo(ピッコロ)
  • オーボエ Oboe(オーボエ)
  • イングリッシュホルン Englischhorn(エングリッシュ ホルン)
  • クラリネット Klarinette(クラリネッテ)
  • バスクラリネット Bassklarinette(バス クラリネッテ)
  • ファゴット Fagott(ファゴット)
  • コントラファゴット Kontrafagott(コントラファゴット)
  • サックス Saxophone(ザクソフォーン)
  • ホルン Horn(ホルン)
  • トランペット Trompete(トロンペーテ)
  • トロンボーン Posaune(ポザウネ)
  • チューバ Tuba(トゥーバ)
  • ユーフォニアム Euphonium (オイフォーニウム)
  • 打楽器 Schlagzeug(シュラークツォイク)
  • ティンパニー Pauke(パウケ)
  • ハープ Harfe(ハーフェ)
  • ギター Gitarre(ギターレ)
  • 声楽 Gesang(ゲザンク)
  • 合唱 Chor(コアー)

演奏する箇所「〜から・〜まで

ドイツ語で「〜から・〜まで」という演奏範囲を指定するときは、前置詞のvonbisを使います。

von は「〜から」、bisは「〜まで」という意味です。


  • von Anfang /von Vorne 初めから
  • bis zum Ende 最後まで
  • in die Mitte 真ん中まで(途中まで)
  • von Takt 25 25小節目から
  • von dem zweiten Thema 第二主題から

細かな表現を覚えられなければ、「ここからここまで」と指をさして言っても伝わります。

「ここ」は、hier(ヒアー)なので、

“von hier bis hier”

といえばOK。

逆に、「どこから?」と尋ねたい場合は、

Wo von?(ヴォー フォン)

と聞きましょう。

この辺の表現はアンサンブルの合わせやオーケストラの練習でも必ず使う表現なので要暗記です。

オーケストラであれば指揮者に指定された場所を瞬時に探さなければいけないので、小節を数え、パッと日本語へ変換できるようにしておきましょう。

テンポにまつわる表現

  • schnell(シュネル) 速い
  • langsam(ラングザム) 遅い
  • sehr schnell とても速い
  • sehr langsam とても遅い
  • zu schnell 速すぎる
  • zu langsam 遅すぎる
  • schneller もっと速く
  • langsamer もっと遅く

zu はネガティヴな意味での「〜すぎる」という表現に使われます。

英語の“too”にあたります。

形容詞の語尾に-er(eで終わる形容詞には-r)をつけると、比較級の「もっと〇〇」という表現になります。

音量にまつわる表現

  • laut (音が)大きい、うるさい
  • leise (音が)小さい、静か
  • laut (音が)とても大きい
  • sehr leise (音が)とても小さい
  • zu laut (音が)大きすぎる
  • zu leise (音が)小さすぎる
  • lauter (音が)もっと大きく
  • leiser (音が)もっと小さく

f(フォルテ)や p(ピアノ)は元々イタリア語ですが、日本でも使われるように、ドイツ語でもそのまま使います。

mehr f(メア フォルテ)もっと大きく、mehr p(メア ピアノ)もっと小さく など。

音程にまつわる表現

  • hoch(ホッホ)高い
  • tief(ティーフ)低い
  • sehr hoch とても高い
  • sehr tief とても低い
  • zu hoch 高すぎる
  • zu tief 低すぎる

stimmen(シュティンメン)

チューニングする

Stimmgerät(シュティムゲレート)

チューナー

よく使う形容詞

gut グート

良い

schlecht シュレヒト

悪い

nicht schlecht ニヒト シュレヒト

悪くない

langweilig ラングヴァイリッヒ

つまらない

deutlich ドイトリッヒ

はっきりと

ruhig ルーイッヒ

落ち着いて、静まって

richtig リヒティッヒ

正しい

falsch ファルシュ

間違った

früh フリュー

早い

spät シュペート 

(タイミングが)遅い

rechtzeitig レヒトツァイティッヒ

正しいタイミングで

fließend フリーセント

なめらかに、流れるように

lebendig レベンディッヒ

生き生きと、元気に

kräftig クレフティッヒ

力強く

fröhlich フレーリッヒ

楽しげに、喜ばしく

traurig トラウリッヒ

悲しげに

lustig ルスティッヒ

面白く、愉快に

よく使われるフレーズ

noch mal

noch mal(ノッホ マル)は「もう一度」という意味です。

これは必ずレッスンで聞くフレーズです。

「もう一度、最初から」という場合は、先ほど紹介した“von Anfang”をくっつけて、

noch mal von Anfang

となります。

weiter

weiter(ヴァイター)と言われれば、そのまま吹き続けます。

「そのまま続いて」という意味なので、1楽章を演奏し終わって“weiter”と言われたら、続き、すなわち2楽章にうつります。

Ich habe einen Fehler gemacht

間違えました。

Ich habe falsch gespielt.

間違った演奏をしました。

Wie war das?

どうでしたか?

Was fehlt noch?

あと何が足りないですか?

Wie kann ich das verbessern?

それはどうやって改善できますか?

まとめ

以上、レッスンでよく使うドイツ語をまとめてみました。

もちろんこれ以外にも表現はたくさんあるのですべては書ききれませんが、初段階でおさえておくべき表現はシェアしました。

ドイツ語でレッスンを受ける際にはぜひ活用してみてください!

ちなみに今回、すべての単語にカタカナをふっていますが、正しい発音を知りた場合や声楽家の方は、以前書いたこちらの記事も合わせてお読みください。

基本的なドイツ語の発音について解説しています。

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