先日日本に一時帰国中にオーケストラのお仕事をいただき、久しぶりに日本のオーケストラで吹いてきました。
練習が始まるや否やかなりの逆カルチャーショックを受けました。
日本のオーケストラで演奏するのはほぼ3年ぶりだったので、自分がかなりドイツ色に染まっていたのだなと思い知らされました。
そこで、私が感じた日本とヨーロッパのオーケストラの違いをここではシェアしたいと思います。
ピッチが違う
まずそもそもチューニングのピッチが違います。
私はオーボエ奏者なのではじめにチューニングをする役割を担っており、まずその時点でチューナーの設定を戻すことから始まりました。
日本だと442Hzですがヨーロッパだと基本443Hzと少し音程が高いのです。
この少しの違いが何ともやっかいで、なかなか慣れませんでした。
自分が常に周りより高くて頑張って下げるのですが下げすぎたりと、練習開始早々微妙な調整が難しかったです。
というのもオーボエはリードを作る時に長さで音程を調整するので、私はドイツのピッチにあったリードしか手元になく(急にいただいた仕事だったので)、耳と口を使って周りに溶け込めるようなんとか調整しました。
さらに今回初めて新しく買った楽器をオーケストラの中で使用したので、それもあり基準というものが無く、非常に苦戦しました。
本番までにリードを巻き直したおかげでなんとか対応できました。
音量の基準が全然違う
日本のオーケストラでは特に静かで繊細な音色、音量が求められます。
ヨーロッパのオーケストラでは日本ほどppに落として演奏することが無いのですが、日本ではとにかくppを極めて、2ndなどの下請けパートは特に極小な音量で吹かなければいけません。
ここにもかなりの差がありました。
私がドイツへ来た当初は、音が小さいと言われていたので3年間でかなり音量が大きくなったのですが、日本へ帰ると大きすぎるという…。
これまた調整するのがかなり難しかったです。
人間関係・上下関係が複雑
ドイツのオーケストラではエキストラでプロオケに行く時でも、寄せ集めのオーケストラの本番でも、そこまでピリピリした雰囲気はありません。
日本は各オーケストラで雰囲気が大分違い、とても良い雰囲気のところもありますが元々の文化のせいか代々のしきたりやお局の人の権力が強かったりしますね(笑)
例えば、このテーブルのここはお局の〇〇さんが楽器ケースを置くところだから決して使ってはいけないだとか、この人と仲良くなっておかないと次も呼んでもらえないだとか…この独特な感じはやはり日本だけかなと思います。
もちろんドイツのオーケストラにもプライドが高い人や変わったこだわりを持っている人はたくさんいますが、日本ほどペコペコしたり気を遣うことはありませんね。
敬語というものの存在の有無は大きい気がします。
オーディションの招待の有無
ヨーロッパのオーケストラのオーディションを受けようと思ったら、まず申し込みをして招待が来れば、オーディションに参加することができます。
ですが日本では招待という制度はなく、予備審査もないところが多いです。
なので学生でも基本オーディションを受けることはできます。
ヨーロッパで招待をもらえるのは名だたるコンクールの受賞歴があったりプロのオーケストラ経験があったり、アカデミーやプラクテイクム(インターン)の経験がある人のみです。
そう思うと、日本では平等にチャンスが与えられているような気がしますね。
まとめ
以上が私が実感したヨーロッパと日本のオーケストラの違いでした。
いかがだったでしょうか?
私個人の好みとしては日本のオーケストラの繊細さのある音楽の方が好きですが、雰囲気はヨーロッパのオーケストラの方が心地よいです。(笑)
無い物ねだりですね。
もしこんな記事もおもしろいと思っていただけたらまた書いてみたいと思います!
では。
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