実はドイツ語だったアウトドアグッズの名前【山岳用語・キャンプギア】

外来語として日本語になっているものの多くは英語からきていますが、普段わたしたちが何気なく使っている言葉の中に、実はドイツ語由来の外来語もたくさんあります。

今回は意外な日本語英語ならぬ日本語ドイツ語になっているアウトドアグッズを紹介していきます♪

シュラフ Schlafsack

キャンプ好きな人にはおなじみのシュラフです。

シュラフは「寝袋」のことですが、最近はシュラフと呼ばれることの方が多いのではないでしょうか。

このシュラフの正式名称は、Schlafsackシュラーフザック)といいます。

Schlafはドイツ語で「寝る・睡眠」という意味で、Sackは「カバン・袋」という意味の単語で、合わせて「寝袋」を意味します。

Sack(ザック)はリュックサックのサックと同じで、リュックサックもまたドイツ語なのです。

Rück〇〇は、「後方の〜」という意味の接辞です。

コッフェル Kocher

キャンプ用語で、携帯用の「小型調理器具」のことをコッヘルまたはコッフェルといいますが、これはドイツ語のKocherを日本語よみしたものです。

正しくはコッヒェルと発音します。

ドイツ語では「小型のコンロ・湯沸かし器」を意味する単語です。

英語でいうクッカー(cooker)にあたります。

ザイル Seil

登山用のロープ、網のことです。

ドイツ語ではそのままロープや網という意味の他、縄跳びのことも指します。

シュリンゲ Schlinge

山岳・ロッククライミングなどの登攀(とうはん)で使用する、ひもや綱などを輪っか状にしたものをシュリンゲといいます。

英語でスリングとも言われますが、登山家内ではドイツ語のシュリンゲの方がよく知られているのではないでしょうか。

ツェルト Zeltsack

ツェルトとは、非常時などでビヴァークする時に役立つ「小型の軽量テント」のことです。

ポールがなく軽量なので、非常時の備えとして携行されます。

正式名称はZeltsacツェルトサック)。

ちなみに普通のテントのことをドイツ語ではZelt(ツェルト)といいます。

zelten(ツェルテン)になると、「テント泊をする・キャンプをする」という意味の動詞になります。

ビヴァーク Biwak

上のツェルトの説明ででてきたビヴァーク(Biwak)もドイツ語で、「露営・野宿」を意味する単語です。

カラビネ Karabinerhaken

カラビネとは、登山用具のひとつで「安全フック」のこと。

正式名称はKarabinerhakenカラビーネルーハーケン)です。

ドイツ語ではKarabinerだけだとカービン銃、騎兵銃を意味するので注意です!

アイゼン Steigeisen

アイゼンは、固い雪や氷の上を歩くのに特化した「爪付きの登山靴」のことです。

正式名称はSteigeigsenシュタイクアイゼン)といいます。

Steig(シュタイク)は山道・小道という意味の名詞ですが、Eisen(アイゼン)は単体で言うと「鉄分」という意味になってしまうので、ドイツで使うときは注意です!

ブロッケン Brocken

ブロッケンとは、「ブロッケン現象」「ブロッケン山」の2つの意味で使われることのある言葉です。

ブロッケン現象とは、登山者の前に雲、背後に太陽があるときに起きる、影が霧に映し出される大気光学現象のこと。

ブロッケンとは、もともとハルツ山地最高峰の山の名前で、ブロッケン現象がよく見られることから現象にその名前がつけられました。

Brockenという単語にはその他、「破片・パンくず」という意味もあります。

ルンゼ Runse

ルンゼとは山腹を走る岩の間の溝、「岩溝」のことです。

ドイツ語のRuns(ルンス)の複数形で、Runse(ルンゼ)となります。

ワンダーフォーゲル Wandervogel

Wandervogel(ヴァンダーフォーゲル)はもともとドイツ語で「渡り鳥」を意味する単語でしたが、1895年頃にヘルマン・ホフマンによって作られた青年のための野外活動組織の名前として使われてから、その活動および組織をさすようになりました。

また、たまに比喩的に放浪生活者のことを言う場合もあります。

wandern(ヴァンデルン)は「ハイキングする、移動する」という意味の動詞で、Vogel(フォーゲル)は「鳥」を意味します。

ヒュッテ Hütte

ヒュッテは「山小屋」のことです。

ドイツ語でもそのまま小屋・山小屋を意味しますが、ほったて小屋・船長室・製錬工場という意味もあります。

小さなちょっとした小屋や建物を指すときに使います。

モルゲンロート/アーベントロート Morgenrot/Abendrot

朝日によって山が赤く染まることをモルゲンロート、夕陽によって山が赤く染まることをアーベントロートといいます。

ドイツ語でも意味はそのままMorgenrot「朝焼け」、Abendrot「夕焼け」を指します。


  • Morgen(モルゲン)朝
  • Abend(アーベント)夜
  • Rot(ロート)赤

カール Kar

カール(Kar)とは、「圏谷」のこと。

圏谷とは、氷河の浸食によってできる、雪山などの谷の頭部が円形に削られた地形のことです。

そのカールの底に水がたまってできた湖をカール湖といい、とっても綺麗です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

意外にもたくさんのドイツ語がアウトドア用語として日本で使われていました。

日本語では何事も省略してしまう傾向があるので、ドイツ語の正式名称を知らずそのまま言ってしまうとドイツ人に首をかしげられることもあるかもしれません。

すべてがドイツ語そのままではないですが、知っていればドイツ語の語彙を増やすよい機会になりますので、ぜひ覚えてみてください⭐︎

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