ドイツ語の擬音語・擬態語【オノマトペ】

日本語を勉強する外国人の多くがつまずくのが、擬音語と擬態語です。

日本語には「ポタポタ」「ふわふわ」「パタパタ」など、たくさんの擬音語・擬態語があります。

他の言語にはない表現がたくさんあるので、いつどのようなシチュエーションで使うものなのかを覚えなくてはいけなくて苦労するようです。

ですが逆に、私たち日本人の感覚で外国語でそのような表現をしようとしても、なかなか当てはまる言葉が見つからなかったりします。

今回はそんな、わずかながら存在するドイツ語のオノマトペ、Onomatopöie(オノマトペイー)を紹介していきます。

オノマトペとは?

オノマトペとは、擬音語・擬態語のことで、ドイツ語ではOnomatopöieといいます。

その中でも擬音語のことは、Lautmalerei(ラウトマーラライ)

擬態語のことは、mimetisches Wort (ミメティッシェス ヴォルト)

と呼びます。

擬音語(Lautmalerei)

擬音語とは「カラカラ」「パラパラ」など音を表す言葉で、ドイツ語ではLautmalerei(ラウトマーラライ)といいます。

lautは「声に出す、大きい」という意味の形容詞、malereiは「絵画、画法」っという意味の名詞です。

“声に出す描写”というような意味合いになり、日本語の「擬音語」にあたります。

自然の音

  • tröpfenweise 「ポタポタ」

「一滴ずつ、ポタポタと」「少しづつ、小出しに」という意味の副詞で、「ポタポタ」という音のみを表すときは“tropf”(トロップフ)とだけ書きます。

  • summ「ブーン」

ハチが飛ぶ音などを表す音はsumm(ズム)と表します。

「ブーンと鳴る」という意味の動詞summenから来ています。

  • schwap「バシャバシャ」「ピチャピチャ」

水の中で何かが動いたり、水がはねる音を表すときは“schwap”を使います。

動物の声

  • wau wau「ワンワン」

犬の鳴き声はwau wau(ヴァオ ヴァオ)と表します。

日本語のように犬のことをこどもに「ワンワン」と名詞的に教えることはドイツ語ではありません。

  • quak「ケロケロ」

カエルの鳴き声はquak(クアック)

  • kikeriki「コケコッコー」

ニワトリの鳴き声はkikeriki(キッキリキー)

  • miau「ニャー」

ネコの鳴き声はmiau(ミャオ)

イタリアの作曲家、Rossiiが作曲した歌で、歌詞がすべて「miau(ミャオ)」だけの歌詞の曲があります。

“Duetto buffo di due gatti ”という曲で、デュエットなので二人で「miau」を掛け合いしています。

よくドイツの演奏会のアンコールなどで歌われていますが、必ず笑いが起きる曲です。

生活音

  • gluck gluck 「ゴクゴク」「トクトク」

のどを鳴らして飲む音や、液体をそそぐ音はgluck(グルック)を使います。

たいてい二回くり返して “gluck gluck”と書きます。

また、gluckはめんどりの鳴き声としても使われます。

  • plumps「バタン」「ドシン」

何かが音を立てて落ちたり倒れたりする音は、plumps(プルンプス)で表します。

  • schepper「カチャカチャ」「ガタガタ」

schepper(シェッパー)は食器などが重なる音などを表すときによく使います。

擬態語 mimetisches Wort

擬態語とは、実際には音の出ない物の様子を表すことばです。

  • flauschig「ふわふわ」

flauschigは、ウールのように柔らかいという意味の形容詞です。

英語でいうflaffy(フラッフィー)にあたりますね。

  • grob「ごわごわ」

grob(グロップ)は「荒い、ごわごわ、ごつごつ」という意味の形容詞です。

  • krebrig「ベタベタ」

klebrigは「ベタつく、くっつく、粘着のある」という意味の形容詞です。

英語のstickyにあたる単語です。

  • verschmust/zuckersüß「イチャイチャ」

カップルなどがいちゃついている様を表す単語は2つあります。

verschmust(フェアシュムスト)は「ベタベタした」「イチャイチャした」という意味の口語です。

zuckersüß(ツッカージュース)を直訳すると「砂糖のように甘い」という意味になります。

ドイツ語の擬音語・擬態語の特徴

日本語では連想させる2文字を繰り返すことで表しますが、ドイツ語は英語やその他の諸外国語と同じく、1つの形容詞で表すものがほとんど。

また、tropfen「ポタポタ落ちる」、flattern「ヒラヒラ飛んでいく」strampeln「足をバタバタさせる」などのように、副詞と動詞を1語で表した単語が多いですね。

ドイツ人に聞くと、ドイツ語ではオノマトペはあまり使わないらしく、英語よりも頻度は低いようです。

ドイツ語にない表現は英語からとってきて使うことが多いとか。

漫画やアニメなどの翻訳では英語で表されているものも多いです。

気になる方は一度、日本の漫画のドイツ語版を買って日本語版と読み比べてみると面白いと思います!

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