日本人が間違えやすいドイツ語

halb 〇〇「○時半」

ドイツで約束をする時によく使う表現、「○時半」という表現ですが、実は日本語とドイツ語では1時間のずれがあります。

例えば、ドイツ語で「halb 3」は何時何分のことだと思いますか?

日本人ならば「3時半」と答えたくなるところですが、実はドイツ語ではこれは…

2時半」を表します。

ドイツ語では、halb 4=3時半、 halb 5=4時半、halb 6=5時半…

「半分」という意味の“halb”がとつくと30分足したくなりますが、ドイツ語では30分引いた時間を表します。

アポを取ったり誰かと待ち合わせする時に間違えて覚えていると1時間遅刻してしまうことになるので、日本語に置き換える際には要注意です!

auf die Toilette gehen「トイレに行く」

「〜へ行く」と言う時、動詞 gehenと前置詞 inを使いますが、

“Ich gehe in die Toilette.”

と言うと、トイレの中つまりは便器の中へ入って行くという意味になってしまいます…

なので、「トイレに行く」と言いたい時は、前置詞 aufを用います。

Ich gehe auf die Toilette.

が正しい表現です。

anrufen +3格「〜に電話する」

「〇〇に電話をする」という動詞、anrufenは4格をとる動詞です。

日本語にすると、てにをはの「〜に」にあたる3格を取りがちですが、anrufenという動詞は4格「〜を」をとるので、

「私は母に電話をする」という文章は、

Ich rufe meiner Mutter an.

ではなく、

Ich rufe meine Mutter an.

が正解になります。

直訳すると、「私は母電話します」

と変な文になってしまうので、日本人が無意識に間違えやすいドイツ語の一つですね。


ちなみに動詞 rufen「〜を呼ぶ」も4格をとる動詞です。

anrufenは「電話で〜を呼ぶ」というニュアンスで覚えれば間違えにくくなります。

「電話する」というもうひとつの動詞、telefonierenは3格を取りますが、「誰々と電話をする」という時は前置詞“mit”が必要になります。

mitは3格をとる前置詞なので、anrufenと混合して4格を使わないように注意です。

ちなみに、

  • anrufen=電話をかける
  • telefonieren=電話で話す

という使い分けをすることが多いですね。

1格 Nominativ〜は、〜が
2格 Genetiv〜の
3格 Dativ〜に
4格 Akkusativ〜を

「Ja」「 Nein」「 doch」の使い分け

はい=Ja、いいえ=Nein、いや=Doch

日本語では「〜でないですよね?」と聞かれてその通りであれば「はい」と答えますが、英語やドイツ語では「いいえ」と答えることになります。

ドイツ語は英語と同様に質問の仕方に関わらず、その質問が正しければJa、質問と異なる場合はNeinと答えます。

それに加えてドイツ語には、dochという否定文を肯定する時に使う日本語にない返事があります。

dochとは、“否定疑問文に対し肯定形で答える”ときに使う返事です。

 

このdochは日本人にとって使いこなすのが少々ややこしいのです。


例)Bist du Anna?「あなたはアナですか?」

  • 自分がアナの場合→ Ja, ich bin.
  • 自分がアナでない場合→ Nein, ich bin nicht.

ですが、そもそも否定文で質問された場合、肯定したい場合はJaではなくDochと答えます。


Bist du nicht Anna?「あなたはアナではないですよね?」

  • 自分がアナの場合→ Doch, ich bin Anna.
  • 自分がアナでない場合→ Nein, ich bin nicht.

英語にはない表現ですが、ドイツ語にはこのdoch、フランス語にもSiという返事が存在します。

慣れるまでは間違えてしまうことが多い、典型的なドイツ語と日本語の違いです。

過去形を表す、seinとhabenの使い分け

ドイツ語で過去形の文章をつくるには、sein+現在完了形、もしくはhaben+現在完了形 を使います。

seinとhabenの使い分けは、


  • 人や物の移動・状態の変化を表す動詞→ sein
  • その他のすべての動詞→ haben

と決まっています。

例)Ich bin in die Schule gegangen. 私は学校へ行きました。

Ich habe schon gegessen. 私はもう食べました。

この使い分けは頭ではわかっていても、実際文章を喋っているときに間違えて行ってしまうことが多々あります。

これは日本人に限らず、アメリカ人やロシア人など他の外国人でもよく間違えて言ってしまっているのを耳にするので、ドイツ語の少しやっかいな部分でもあるかと思います。

seinをとる主な動詞

gehen(行く), kommen(来る), fahren(乗っていく), laufen(歩く), rennen(走る), fliegen(飛ぶ), schwimmen(泳ぐ), aufstehen(起床する), eingeschlafen(眠りにつく), werden(なる)

ここで、どちらを使うのが正しいのか気になるのが

reisen(旅行する)という動詞。

「旅行という行為をする」と捉えるとhabenをとるように思いますが、「旅に出る」と解釈すれば、移動のニュアンスになるのでseinのようにも考えられます。

これ実は、正解は“sein”なんですよね。

ドイツ人でもseinを使う人とhabenを使う人がいるのでとてもややこしいですが、

実はマイン川より北の地域では“haben”、マイン川より南とオーストリア、スイスでは“sein”を用いるそうです。

ずっと気になっていたのでドイツ人に詳しく調べてもらいました。

文法的にはseinが正しいので、試験などではseinを選択するのが確実でしょう。

まとめ

今回は日本人が間違えやすいドイツ語を5つ紹介しました。

日本語にはない概念や、ドイツ語文法の日本語と大きく違う部分などを正しく使いこなすには時間が必要です。

最低限の間違えをしなければ意味は通じるでしょうが、しないに越したことはないですよね!

ぜひこれらの間違いに気をつけて使ってみてください!

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