【ドイツ語の語順のルール】定動詞第2位の法則とは?

ドイツ語の入門シリーズ第2弾は、「ドイツ語の語順」についてです!

ドイツ語において語順というのはとても大事な要素です。

というのも、ドイツ語には「動詞は必ず2番目に置く」というルールが存在します。

ドイツ語の語順は英語より比較的自由度が高いので、主語以外が文頭にくることもよくあります。

ですが定動詞の位置だけははっきりしており、必ず2番目にきます。

また過去形や関係代名詞、接続法の中ではさらに規則があったり、また例外もあります。

ドイツ語を勉強するにあたってまず語順のルールを把握しておくことがとても大事になってくるので、ドイツ語学習のはじめに必ず抑えておきたいポイントでもあります。

今回はそんな少しややこしいドイツ語の語順について解説します。

目次

定動詞第二位の原則とは?

ドイツ語では定動詞は必ず2番目の位置に置くと決まっています。

このルールがいわゆる「定動詞第二位の原則」と呼ばれるものです。

日本語でも英語でも動詞の位置は必ずここ!と決められてはいませんが、ドイツ語の文章を組み立てるときには動詞の位置は必ず正しい位置におかなければいけません。

平叙文(普通の文)

例)Ich gehe in die Schule. 私は学校へ行きます。

この文章に「heute(今日)」という新しい情報が付け加えられても、動詞 gehenの位置はそのままです。

Heute gehe ich in die Schule. 今日私は学校へ行きます。

疑問詞のある疑問文(補足疑問文)

補足疑問文とは、Wann, Was, Wie, Wo…などの疑問詞を使った疑問文のことです。

また、疑問詞が文頭にきても動詞 の位置はそのままです。

Wann gehe ich in die Schule? いつ私は学校へ行きますか?

Wo ist die Schule? 学校はどこにありますか?

Was ist das? それはなんですか?

つまり、文頭に名詞が来ようが副詞が来ようが疑問詞が来ようが、平叙文や補足疑問文では、動詞は必ず2番目に位置します。

決定疑問文

疑問文にする場合は動詞を文頭にもってくることができます。

決定疑問文とは、はい/いいえで答えられる疑問文のことです。

英語でもbe動詞を使って決定疑問文を使うときには、動詞を前にもってきますよね。

平叙文:You are japanese.

決定疑問文:Are you japanese?

ドイツ語も作り方は同じで、動詞と主語の位置を入れ替えて、動詞を文頭に持ってきて文末に“?”をつけます。

Gehst du heute in die Schule? 君は今日学校へ行く?

現在完了形

ドイツ語では英語と違い、過去の話をするときは口語では「過去形」をほとんど使わず、現在完了形を使います。

過去形を使うのは新聞や本など、ほとんど文章の中でだけです。

そして英語の場合は現在完了形の語順は、haveのあとに動詞の現在完了形がきますが、ドイツ語の場合は文末に現在完了形がきます。

英:I have gone to school.

Ich bin in die Schule gegangen. 私は学校へ行きました。

英語と違う点

ドイツ語と英語はとても似た言語ですが、語順において間違えやすいのが、主語や動詞以外の語の位置です。

例)「私は今日買い物へ行きます。」

英:I go to shopping today. 

独:Ich gehe heute einkaufen. 

上の例を見てみると、英語の場合は動詞の後に to shopping がきていますが、対してドイツ語の場合は einkaufen は文末にきています。

英語では重要な情報は動詞に一番近い位置に置かれますが、ドイツ語では定動詞から遠く、文末に近いところに置かれます。

主語や動詞以外が文頭にくるパターン

主語以外のものが文頭に来る場合の語順です。

例)Ich besuche jedes mal das Museum in Tokio. 「私は毎回東京にあるその美術館を訪問します。」

上記の主語が文頭にくる定型文を例に見てみます。

主語以外の語を文頭にもってくる時というのは、その語を強調したい時です。

これまでと同様に動詞は必ず2番目にくるので、主語を動詞の後に置くことになります。

jedes mal(毎回)を強調したい場合:

Jedes mal besuche ich das Museum in Tokio. 「毎回私は東京にある美術館を訪問します。」

Das Museum in Tokio(東京の美術館)を強調したい場合:

Das Museum in Tokio besuche ich jedes mal. 「東京にある美術館を私は毎回訪問します。」

この場合、“Das Museum in Tokio”(東京の美術館)の一塊りが主語になっているので、その後に動詞 besuchenをおきます。


⚠️das Museum と in Tokio を切り離してしまうと意味が変わり、別の文章になってしまいます。

In Tokio besuche ich jedes mal das Museum. 「東京では毎回美術館を訪問します。」

定動詞後置の原則

これまで動詞を2番目に置くのが原則、と説明してきましたが、例外があります。

dassやweilなど、従属の接続詞を使う文章では、コンマ)を使って主文・副文の2つの文章をつなげますが、その際に副文(後ろの文)の動詞は2番目ではなく、文末に置かれます。

これを「定動詞後置の原則」といいます。

例)Sie kommt nicht. Sie ist krank. 「彼女は来ません。彼女は病気です」

Sie kommt nicht, weil sie krank ist. 「彼女は病気なので来ません。」

例)Ich weiß. Es regnet heute.

「私は知っている。今日は雨が降る。」

→Ich weiß, dass es heute regnet. 「私は今日雨が降ることを知っている。」


《その他の従属の接続詞》

  • als 〜した時
  • wenn 〜する時、〜すると
  • bevor 〜する前
  • nachdem 〜した後
  • bis 〜まで
  • seit 〜以来
  • während 〜の間
  • obwohl 〜にもかかわらず

語数をカウントされない接続詞

  • und そして
  • aber しかし
  • oder もしくは
  • sondern むしろ

上記の接続詞は、2つの文章をつなげる橋渡しの役割なので、後の文の文成分としてカウントされません。

例)Ich bin Japanerin, und sie ist Chinese.

「私は日本人で、彼女は中国人です。」

Ich möchte ins Kino gehen, aber ich habe keine Zeit.

「映画館に行きたいけれど、時間がありません。」

まとめ

今回はややこしいドイツ語の語順のルールについてまとめました。

語順され把握していれば、ドイツ語を話す際にも書く際にも迷うことなく文を組み立てられ、自信を持って発言できます。

一回目を通しただけですべて頭に入れるのは難しいと思うので、迷った際に確認するのに役立ててもらえればと思います。

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