【ネイティヴドイツ語】実際にあまり使われないドイツ語表現

ドイツ語にも、教科書に載っているけれど実際には使われることのない、またはめったに使われない表現というものがあります。

今回はそんな実際に使われていないドイツ語と、実際にネイティヴが使うドイツ語をシェアしようと思います!

未来形

ドイツ語の未来形は、werden+不定詞 で表します。

英語でいうwill にあたるのがドイツ語のwerdenという助動詞です。

werdenは動詞としては「〜になる」という意味を持ち、未来を表す助動詞として用いるときは「〜だろう」という意味があります。

英語では時制がはっきりしていて、「〜だろう」という未来の表現をする場合は、助動詞willを使います。

ですが実際ドイツ語では、未来のことを話す時も、ほとんど現在形を使います。

「私はあした映画館へ行きます。」

英語:I will go to the cinema.

ドイツ語:Ich gehe morgen ins Kino.

英語にはwill以外にもbe going to〜やgonna〜など未来を表す表現があり、現在進行形まで存在するので時制まで細かく表現できます。

それに比べてドイツ語には現在進行形もなく、未来の表現もほとんど使わないので、おおよそ現在形と現在完了形のみで会話が成り立ちます。

過去形(Präteritum)

前の項でも触れたように、ドイツ語では過去の話をするときは、現在完了形を用います。

なので過去形(Präteritum)は日常会話ではほとんど使いません。

ドイツ語の現在完了形は、

haben/sein過去分詞

で組み立てられます。

例)gehen「行く」(活用:gehen-ging-gegangen)

  1. 現在形:Ich gehe in die Schule. 私は学校へ行きます。
  2. 過去形:Ich ging in die Schule. 私は学校へ行った。
  3. 現在完了形:Ich bin heute in die Schule gegangen. 私は学校へ行った。

❷と❸は全く同じ意味になります。

英語では「すでに〜してしまった」という完了の表現をするときに、現在完了を使いますが、ドイツ語では過去形を使っても現在完了形を使っても意味は同じです。

日常会話で❷のようにgingを使うことはまずありませんが、過去形でも例外的に日常会話で使われる動詞がいくつかあります。

頻繁に使うhatte, wussteなど、話法の助動詞 konnte, wollte, musste, sollteなどは口語でも普通に使われます。

ではその他の過去形は一体どこで使うの?というと、

新聞や書籍などの文章中です。

会話が含まれている小説や漫画などでは現在完了形で書かれていることもありますが、一般的に書籍などは過去形で書かれています。

ドイツ人の友達も、普段使わない不規則動詞の過去形は忘れてることも多いそうで、essen「食べる」の過去形なども覚えたものの使ったことのない単語の一つと言っています。

口語での定動詞後置の原則

前回の「ドイツ語の語順のルール」という記事で、定動詞後置の原則についても解説しました。

何それ?という方はまずこちらからお読みください↓

ここで、従属の接続詞であるdassやweilなどを使った文の副文はでは動詞が2番目ではなく最後に置かれると説明しました。

文法上それが正しく、例外はないのですが、

日常会話で何かを説明する時やとても長い文章を話す時はそれを無視して動詞を2番目にもってくることがあります。

例えば、“Ich wusste nicht, dass du erkältet warst.”(君が風邪をひいていたなんて知らなかったよ) ぐらいの短い文章なら文法どおり正しく言いますが、もーっと長い文になると、dassを省略して、間をあけて、平叙文の語順で話します。

weil の場合も、weilのあとに間をあけて、平叙文の語順で話します。

例)

  • Ich wusste nicht, ・・・ du warst 〜
  • I habe so gesagt, weil ・・・ das ist〜

もちろんドイツ語の口述試験や筆記ではきちんと文法どおりに書かなければいけませんし、これはあくまでネイティヴが使うことがあるということなので、外国人がこれをしていると「ドイツ語の語順間違っているよ!」と言われます。

なので外国人が使う必要はないですが、ただ学校の授業や討論番組などをみていると「え?なぜ語順が違うの?」と思うことがあるので、知っておくと混乱せずに済みます。

まとめ

ネイティヴが使う表現はほかにもたくさんありますが、「日本人が教科書で習ったのに実際に使うことがない」表現について紹介しました。

ほとんど使わないものの、全く使わないわけではないので勉強して損することはありませんが、ドイツ語の過去形に関しては是が非でも覚える必要はないかな、と個人的には思います。

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