ドイツ語の話法の助動詞6つ【話法の助動詞とその使い方とは?】

6つの話法の助動詞

  1. können「〜できる」
  2. müssen「〜しなければならない」
  3. sollen「〜するべきだ」
  4. dürfen「〜してよい」
  5. wollen「〜つるつもりだ/〜したい」
  6. mögen「〜かもしれない」

ドイツ語には話法の助動詞が6つあります。

この話法の助動詞と不定詞(動詞の基本形)を組み合わせて文中で使います。

話法の助動詞の使い方

話法の助動詞は、不定詞とセットで使うことで「〜することができる」「〜しなければならない」といった表現をすることができます。

Wir können Deutsch sprechen.「私たちはドイツ語を話せます。」

ですが、話法の助動詞は不定詞を取らずに単独で使うこともできます。

例)Wir können Deutsch. 「私たちはドイツ語ができます(話せます、理解できます)」

Ich muss in die Arbeit. 「私は会社に行かなくてはいけない。」

können「〜できる」

könnenは英語のcanにあたります。

Ich kann Klavier spielen. 「私はピアノを演奏できます。」

また、「〜してもよいか」と尋ねるときにも使います。過去形にするとより丁寧なニュアンスになります。

例)Kann ich das essen? 「これ食べても良い?」

Könnte ich das essen? 「これ食べても良いですか?」

müssen「〜しなければならない」

müssenは「〜しなければならない」という何かをする義務があることを表現するときに使う助動詞です。

英語のmustにあたります。

例)Ich muss heute putzen. 「今日掃除をしないといけない。」

Wir müssen üben. 「私たちは練習しなければいけない」

sollen「〜すべきだ」

sollenは英語でいうshouldにあたります。

müssenとsollenは使いわけを間違っている日本人が多いとドイツ人の先生がよく言っていましたが、「〜しなければならない」「〜すべきである」はドイツ語や英語では厳密に違います。

例)Soll ich dir helfen? 「君を手伝おうか?/手伝うべき?」

Er soll früh aufstehen. 「彼は早起きするべきだ。」

dürfen「〜してよい」

dürfenは「〜してよい」という何かをする許可を与える、与えられる意味の助動詞です。

英語のmayにあたりますが、「〜かもしれない」という推量の意味は含んでおらず、後に出てくるmögenとdürfen2つ合わせて英語のmayにあたります。

Darf ich fragen? 「質問してもいいですか?」

Du darfst fernsehen. 「テレビ観ても良いよ。」

上記のkönnenの項で、「〜してもよいですか?」と聞くときにkönnenを使ったり、より丁寧に過去形könntenを使うと書きましたが、dürfenの方がより丁寧な聞き方になります。

さらにdürfenの過去形、dürftenを用いると最上級に丁寧な尋ねかたになります。

例)「中に入っても良いですか?」

Darf ich reinkommen?

Dürfte ich reinkommen?

wollen「〜するつもりだ/〜したい」

wollenは英語のwillにあたり、「〜するつもり」「〜したい」という表現をするときに使う助動詞です。

例)Er will das Auto kaufen. 「彼はその車を買うつもりだ/その車がほしい。」

Ich will auch mitkommen. 「私も一緒に行きたい。」

⚠️英語のwillは未来の助動詞としても使われますが、ドイツ語の未来の助動詞はwerdenという別の助動詞なので注意です。

mögen「〜かもしれない」

mögenは英語のmayにあたり、「〜かもしれない」「〜らしい」という推量の意味を表すときに用います。

上記5つに比べて使用頻度の低い助動詞と思われがちですが、推量の意味以外に他に、「〜が好き」という表現でよく使うので覚えておきましょう。

例)Er mag Hünde. 「彼は犬が好きです。」

Das mag sein. 「そうかもしれない。」


また、接続法Ⅱ式で「〜したい」という意味の助動詞möchtenとしてもよく使われます。

Ich möchte etwas essen.「何か食べたい。」

Ich möchte heute ins Kino gehen. 「今日は映画館へ行きたい。」

話法の助動詞の人称変化

können「〜できる」

ich kannWir können
du kannstihr könnt
sie/er kannSie können

müssen「〜しなければならない」

ich musswir müssen
du musstihr müsst
sie/er mussSie müssen

sollen「〜すべきだ」

ich sollwir sollen
du sollstihr sollt
sie/er sollSie sollen

dürfen「〜してよい」

ich darfwir dürfen
du darfstihr dürft
sie/er darfSie dürfen

wollen「〜するつもりだ/〜したい」

ich willwir wollen
du willstihr wollt
sie/er willSie wollen

mögen「〜かもしれない」

ich magwir mögen
du magstihr mögt
sie/er magSie mögen

話法の助動詞の過去形

話法の助動詞の過去基本形は以下のとおりです。

  • können→konnte
  • müssen→musste
  • sollen→sollte
  • dürfen→durfte
  • wollen→wollte
  • mögen→mochte

話法の助動詞の人称変化は基本動詞の過去人称変化と同じです。

例)Wir konnten pünktlich ankommen. 「私たちは時間どおりに到着できた。」

Er sollte einen Termin vereinbaren. 「彼は予約をとっておくべきだった」

Ich wollte auch an der Party teilnehmen. 「私もそのパーティーに参加したかった」

話法の助動詞の完了形

話法の助動詞の過去分詞は2通りあります。

下の2つの文は全く同じ意味で、müssenを独立的用法で使うか、話法の助動詞として使うかの違いです。

  1. Ich habe zur Arbeit gemüssen.
  2. Ich habe zur Arbeit gehen müssen.

話法の助動詞の完了形は使わない?

実はドイツ語の日常会話の中では、完了形を使うことはほぼほぼないです。

基本的には過去形を使って話します。

前回の記事の最後に、ドイツ語で過去の事柄を話すときは完了形を使うと書きましたが、その例外で話法の助動詞は過去形を用います。

その他に不定詞をとる動詞

使役動詞のlassenや知覚動詞のsehen, hören, fühlenなどは話法の助動詞と同じように、不定詞をとって使うことができます。

lassen

使役動詞 lassenは「〜させる」「置いておく」「〜のままにしておく」など様々な意味をもつ動詞です。

Ich lasse meine Haare beim Frisur schneiden.「 美容室で髪を切ってもらいます。 」

Er lässt mich immer alleine putzen. 「彼はいつも私に一人で掃除をさせる。」

sehen, hören, fühlen

Ich höre die Vögel singen.「私は鳥たちが鳴いているのが聞こえる。」

Wir sehen die Jungen Fußball spielen. 「私たちは少年たちがサッカーをしているのを見ている。」

まとめ

今回は話法の助動詞に関する文法をすべてまとめてみました。

完了形は使う機会が少ないので、過去形さえ抑えておけば会話で使えますが試験対策には文法上の決まりはしっかり押さえておきたいところですね。

試験対策や復習に使ってみてください♪

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