ドイツ人にとってもクリスマスは日本のお正月ぐらい、年に一度の一番大切なお祝い事です。
日本ではクリスマスは友達や恋人と過ごす人が多いですが、欧米では皆んな家族で集まって過ごします。
今年は私にとってヨーロッパで迎える4回目のクリスマスになります。
ドイツ人のクリスマスのまでの過ごし方や日本との違いなど、あまり知られていない伝統がたくさんあるので、今回はそんなドイツのクリスマス事情をシェアしていきたいと思います!
クリスマス休暇がある
欧米ではクリスマス休暇というのがあり、ほぼすべての人が学校や仕事がお休みになります。
ドイツではスーパーでさえも24日〜26日はお休みになります。
クリスマス休暇には必ず家族の元へ帰って、家族とともに過ごすため、クリスマス前後の電車賃が高く設定されています。
このクリスマス休暇は日本の冬休み、年末年始の休暇にあたり、
学生は大体12月21〜1月5日の期間、社会人は23日〜26日に加え大晦日と元旦が休み、というのが一般です。
欧米ではお正月はそこまで重要ではなく、友達と一緒にお祝いするぐらいなので、元旦は休みでも2日からはどこも営業開始しています。
日本の方が休暇が長いなんて意外と思われるかもしれませんが、実際はクリスマスの他にも3月〜5月にかけてイースター休暇もあるので、トータルで言うとそんなに変わりません。
アドベントを楽しむ
アドベントという言葉、聞いたことはないでしょうか?
ドイツでは4週間前からクリスマスをカウントダウンしてクリスマスを楽しく迎える習慣があり、
この12月1日〜25日までの期間のことをアドベントと呼びます。
最近では日本でも見かける、1日1つその日の日付の書いてあるところを開けるとお菓子やおもちゃが入っているアドベントカレンダーというのがあります。
チョコが入っているものがほとんどですが、おもちゃや化粧品が入っているものも最近は人気です。
私も毎年買って日本にいる両親へ送っているのですが、このクリスマスを楽しみながら待ちわびるこのアドベント文化、楽しくて私は大好きです。
クリスマスマーケットに出かける
これは当日ではないですが、ヨーロッパでは大体11月末頃〜12月24日の午前まで各都市でクリスマスマーケットが開かれます。
12月中はみんな何度か訪れ、名物のホットワインであるGlühweinを飲んであたたまったり、他の屋台のご飯を食べたり、クリスマスツリーのオーナメントを買ったりして楽しみます。
ドイツ以外にもヨーロッパのほとんどの国で行われていますね。
【ドイツ発祥】本物のクリスマスツリーを飾る
実はクリスマスツリーの発祥もドイツなんですね。
ドイツではクリスマスツリーは毎年本物のもみの木を買ってきて、ライトやオーナメントで飾り付けします。
クリスマスマーケットで売っているオーナメントを毎年一つずつ買って増やしていくそう。
レープクーヘンというデコレーションやアイシングされたクッキーもクリスマスツリーに飾ります。
日本ではクリスマスが終わるとお正月に向けて大掃除とともにクリスマスツリーはすぐ片付けられてしまいますが、ヨーロッパではお正月もまだなおツリーが置かれています。
ドイツでは大体1月5日頃にツリーを回収してもらえる日があり、指定された道路脇などに持っていくと回収してもらえます。
サンタさんが来るのは25日ではない?
ドイツではサンタさんのことはSankt Nikolaus(聖ニコラウス)と呼びます。
日本では24日の夜にサンタさんがやってきてプレゼントこっそり置いていってくれますが、ドイツのサンタさんがやってくるのは25日ではなく、12月6日なんです!
そのサンタさんが来る12月6日はNikolaustag(ニコラウスの日)と呼ばれています。
当日は家族で教会ミサに出かける
24日の夜にどこの教会でもミサが行われます。
最近は無宗教の人も増えてきましたが、ドイツのほとんどはキリスト教信仰なので、プロテスタントの人もカトリックの人も各々の教会へ家族揃ってミサに出かけるのがお決まりごととなっています。
日頃礼拝に行かない人でもクリスマスとなればみんな教会ミサへ行きます。
まさに日本の初詣のような感じですね!
家族全員がそれぞれにプレゼントを渡す
私が一度ドイツ人の友達のお家へ招待してもらった時、日本と違うなと思ったことは、プレゼントをサンタさんからもらうのではなく家族からもらうということ。
子ども大人関係なく両親や兄弟全員におのおのがプレゼントを用意します。
なのでみんな11月ぐらいから誰に何をあげるか考えたりプレゼントを作ったりしています。
日本では一番ほしい物はサンタさんにお願いしますが、ドイツではサンタさんからは主にお菓子をもらいます。
クリスマス料理と伝統ケーキ
ドイツの定番クリスマスディナーといえば、
- Gänsebraten/Ente ガチョウの丸焼き/鴨肉
- Rotkraut 紫キャベツの酢の物
- Klassischer Braten ローストポーク
- Knudel じゃがいも団子
- Kartoffelsalat und Würstchen ソーセージ入りじゃがいもサラダ
- Raclett /Fonduラクレット/フォンデュ
肉と芋とキャベツといういかにもドイツらしいラインナップですね。笑
ドイツではお肉はターキー以外にも鴨やガチョウを使います。
近年はチーズフォンデュやラクレットも人気なクリスマスディナーなんだそう。
クリスマスが近づいてくると、スーパーには下処理された丸ごとチキンやターキーがずらっと並んでいます。
紫キャベツの酢の物ですが、これはドイツ名物であるキャベツの酢の物Sauerkrautの紫キャベツ(Rotkohl)版なので、Rotkrautと呼ばれています。
そしてクリスマスまでに食べるスイーツで、シュトーレン(Stollen)というクリスマスの伝統ケーキがあります。
シュトーレンは東ドイツのドレスデン発祥と言われていて、
酵母の入った生地に、中にはレーズンなどのドライフルーツやナッツが入っていて、外側は砂糖に覆われている長期保存のきくケーキです。
これをクリスマスまでのアドベント期間に少しずつ切って食べていきます。
ドイツではパン屋さんやスーパーで購入できますが、最近は日本でもシュトーレンを販売しているケーキ屋さんを結構見かけます。
当日は家族とゆっくり過ごす
12月25日の夜のことをHeiliger Abend(神聖なる夜)とも呼びます。
クリスマスの当日は家族・親戚で集まってお家でゆっくり過ごします。
恋人と過ごすクリスマスという文化はドイツにはなく、その代わり年末年始を一緒に過ごしたり友達同士でパーティーを開いたりします。
欧米のクリスマスの慣習は日本とは違いますが、日本の年末年始と思えばわかりやすいですね。
最後に
私たち音楽家はクリスマスはたいがい仕事詰め、というのも教会でのミサの演奏に駆り出されるからです。
音楽家にとってはクリスマスは書き入れ時なんですよね。
実は去年のクリスマス前にドイツの学生がやっているテレビ番組の取材に出くわし、
「今まで過ごした一番素敵なクリスマスの思い出は?」という内容のインタビューを受けたんです。
前年に友人宅にお呼ばれして初めて体験したドイツのクリスマス文化について、日本と違う点や新鮮だったことなど答えると、それがドイツ人からしても意外だったみたいです。
ドイツのクリスマスを体験してみたいと思ったら、是非クリスマスシーズンにドイツへ足を運んでみてくださいね!
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