ドイツ人が実際話す口語、Umgangspracheとは?【ネイティヴの話し言葉】

Guten Morgen!→Morgen!

まず挨拶ですが、「おはようございます」にあたるGuten Morgenは友達や家族など身近な人に対しては、短縮して“Morgen!”と言います。

お店の店員さんや学校の先生などは“Guten Morgen”と言いますが、ドイツ人はみんな気軽にMorgenと言っています。

ですが、「こんにちは」にあたる“Guten Tag”は“Tag”だけでは使わないのですべてが省略できるわけではありません。

日本語でも「おはようございます」を「おはよう」とだけ言ったりしますが、ドイツ語でも同じ感覚で省略します。

Ich habe→Ich hab

「私は持っている」という意味の Ich habe(イッヒ ハーべ)はeを省略してIch hab(イッヒ ハップ)と言います。

ドイツ人の会話では公式な場以外では必ずといっていいほどこのIch habを使います。

その方が時間が短縮されるので速く喋ることができます。

「持っている」という意味で使う以外にも、過去形の文章もIch habeから始まるので、ドイツ人の会話中でよく聞くと思います。

wegen +2格→wegen+3格

wegen〜「◯◯のせいで」といいたい時、文法上のルールでは2格の冠詞を使いますが、口語では簡単に3格を使い、名詞の語尾につけるsも省略されます。

ただしこれは男性名詞と中性名詞の場合のみで、この〇〇が女性名詞ならそのまま2格の冠詞を使います。

例)

男性名詞:「その授業のせいで」

wegen des Unterrichts→wegen dem Unterricht

中性名詞:das Problem「その問題のせいで」

wegen des Problems→wegen dem Problem

女性名詞:die Verspätung「その遅延のせいで」

wegen der Verspätung

Weil節、dass節の語順が変わる

ドイツ語でWeil「なぜなら」や、dass「〜ということ」という表現を使う際、動詞は必ず文の一番最後に置きます。

それが口語だと、Weilやdassと言った後少し時間をおけば、普通の文の通りの語順、主語→動詞の順で文を組み立てることができます。

例1)私は今日学校へ行きません、なぜなら風邪を引いているからです。

Ich gehe heute in die Schule nicht, weil ich erkältet bin.

↓口語になると…

Ich gehe heute in die Schule nicht, weil….. ich bin erkältet.

例2)私は彼が英語を話しているのを聞いたことがありません。

Ich habe nie gehört, dass er auf Englisch spricht.

↓口語になると…

Ich habe nie gehört, dass….. er spricht auf Englisch.

「〜の」は2格よりも前置詞vonを使う

ドイツ語で「〜の」と言いたい時、その言い方は3つあります。

  1. 2格(Definitiv)を使う
  2. 前置詞 von を使う
  3. 語尾に“s”をつける

例えば、「これは父車です」という文章を2格を使って言う場合、

  • Das ist Auto meines Vaters.
  • Das ist Auto von meinem Vater.
  • Das ist meines Vaters Auto.

3つ目のsをつける表現は固有名詞や父、兄弟、友達など人間の物を表す時に使いますが。この上2つはどちらも同じような場面で使うことができます。

2格を使うときは男性名詞・中性名詞の場合、語尾にsつけなくてはいけなく、語彙によってはesをつけないといけない場合もあり、少しややこしいです。

前置詞vonは英語でいうofにあたるものです。

前置詞vonは必ず3格とセットにして使うので、冠詞を活用させるだけで簡単に使える表現です。

文章などではどちらも使われますが、口語ではあまり2格を使った表現を聞いたことがありません。

口語で2格を使うとしたら「〜の〜の〜」のように連続して使う場合など。

例)「彼は私の母の従兄弟の息子です。」

Er ist der Sohn der Cousine meiner Mutter.

Er ist der Sohn von der Cousine von meiner Mutter.

⚠︎vonを使っても間違ってはいませんが、こういう場合ではほとんど使いません。

過去形(Präteritum)はほとんど使わない

ドイツ語で過去の話をする際に使う動詞の種類はおもに3つ。

  • 過去形 Präteritum
  • 現在完了形 Perfekt
  • 過去完了形 Plusquamperfekt

過去の話をする時は英語では過去形を使いますが、ドイツ語では現在完了形(Perfekt)を使います。

ではドイツ語の過去形は覚えなくても良いのか?というと残念ながらそうではなく、文章の中では現在完了形が使われることはほとんどなく、必ず過去形を使います。

なので新聞や本、ネットニュースなどでは必ずこの過去形が出てきます。

過去形の方が字数も少なくすみ、完結に書けるのでドイツ語ではそのような決まりになっています。

ですが口語でも使う過去形もいくつか存在します。

以下のようなよく使うものは短く言うため過去形を使います。

  • war(原型:sein「いる」)
  • hatte(原型:haben「持っている」)
  • wurde(原型:werden「なる」)
  • dachte(原型:denken「考える」)
  • 話法の助動詞 musste, sollte, wollte, konnte, dürfte

まとめ

基本的に口語になると短くするという特徴があることがわかりました。

ネイティヴの表現に少しでも近づけたい!と思った人はこれらの口語表現をぜひ使ってみてくださいね。

コメントを残す