ドイツ語で「常識」を何というか知っていますか?
答えは、
“der gesunde Menschenverstand” (ゲズンデ メンシェン フェアシュタント)
…とっても長いです。
直訳すると、「健全な人間理解」となります。
英語のcommon sense(直訳:「共通の感覚」)と比べても少しややこいですが、ドイツ人に聞いたところ、この単語を使うことはあまりないそう。
それだけ常識を気にしない国民性があるのではと思いますが、そんなドイツ・ドイツ人の常識を日本人目線で紹介していきたいと思います。
1. 水よりビールの方が安い
ドイツといえば、ビール!
というイメージを持たれている方が多いですが、まんまその通りです。
そして水よりもビールの方が安い、というのも事実なんです。
もちろん販売店やレストランにもよりますが、スーパーなどでは日本のL缶が一番小さいサイズで、0.5ユーロ(約65円)で売られています。
2. 自転車で歩道を走ってはいけない
ドイツの法律では、自転車が歩道を走ることを禁止されているため、日本のように歩道で歩行者と自転車通行車が行き交うことがありません。
自転車は車道を走るため、右折左折する時は手信号を使って後続車に知らせます。
日本でも本来自転車は車道を走らなければいけませんが、黙認されているせいで歩行者に危険が及ぶ場合が多いです。
ドイツでは自転車運転者が必ず歩行者や自転車を優先して走るので、日本のように一時停止を無視したり、歩行者を待たせて車が先に横断する、なんてことが起こり得ません。
なので自転車でも安心して歩道を走ることができます。
3. 自動車教習所がない
ベンツやアウディ、BMWなどの有名高級車は実はドイツの企業です。
車社会のドイツですが、実は自動車運転免許を取るために通う、日本の教習所なるものが存在しません。
では免許はどうやって取るの?どこで練習するの?
と不思議に思うかもしれません。
ドイツでは教習所に行く代わりに、家庭教師のような個人で教えてくれる先生のところに習いに行きます。
もちろん教習免許を持った先生ですが、施設内で運転を練習できる教習所なるものが無いため、初めからいきない公道で運転練習をします。
4. 何事にも予約が必要
ドイツでは何をするにも必ず、Termin(テルミン)すなわち、「予約」が必要なのです。
予約を取っていなければ、帰らされることがほとんど。
それは外国人局でのビザの申請、家の修理、病院などの施設でもそうで、
急な体調不良など、緊急な場合は救急で行ける病院は在りますが、その他については必ず予約を取ってからでないと受け付けてもらえません。
ドイツに住むとなると、住民届けやビザの申請、保険の加入など様々な手続きがあり、電話で予約をしなければいけない自治体が多いので、ドイツへきたばかりの外国人にとってはとてもハードルが高いものです。
5. 大きいお札は使えない
これに関しては以前の『ドイツ語のキャッシュレス事情』の記事でも紹介しましたが、
ドイツでは基本的に100ユーロ札以上のお札は使えません。
100ユーロ札は日本で言う1万円札のような金額ですが、日本ではお金を崩したいがために100円のおにぎりを買って、おつりをもらうなんてことができます。
ヨーロッパではそれは断られることがほとんどです。
そもそも銀行でお金を下ろすときに100ユーロ札わ200ユーロ札が出てこないように下ろします。
50ユーロ札であっても断られることがあるので、実際使えるのは10ユーロ札と20ユーロ札ということになります。
そもそも日本よりスリの多い海外では、現金で大金を持ち歩くことは避けた方が良いなので、30ユーロほどの現金とカードを忍ばせておくのが無難ですね。
6. 水=炭酸水
日本ではレストランに入ると無料で水が出てきますが、ドイツやその他ヨーロッパのレストランでは、水は有料です。
水道水(Leitungswasser)で良いと言えば出してくれるお店もありますが、大抵は注文しなければ飲み物は出してくれません。
そして水にも2種類あります。
- ミネラルウォーター
- 炭酸水
特に指定せずに水を注文すると、炭酸水が出てきます。
ドイツでは炭酸水が主流で、ohne Kohlensäure (ガスなし)と言わなければ、必ず炭酸水が出てきます。
- mit Kohlensäure/mit Gas 炭酸あり
- ohne Kohlensäure/ohne Gas 炭酸なし
7. 公共交通機関は遅れるもの
ドイツに住んで一番不便さを感じたことは、電車やバスなどの公共交通機関があたりまえに遅れることです。
ドイツの電車は遅延することは日常茶飯事、突如行き先が変わったり、運行中止になったりもします。
旅行へ行く時に限って、電光掲示板にVerspätung(遅延)と書かれていたり、乗り継ぎがうまくいかないことが多々あります。
なぜ頻繁に不具合が起きたり遅れたりするのか、理由は様々です。
事故であったり、車両の故障、不発弾が見つかった等…
たとえ遅れても謝罪のアナウンスなんてものは流れません。
ヨーロッパの中でも技術大国のドイツですが、電車に関しては日本が世界一と言えると思います。
ドイツ語がわからない旅行者があたふたする場面を何度も見たので、改善してほしい点でもありますね。
8. 2カ国語以上話せる
ヨーロッパの中心に位置するドイツでは、9カ国と国境を接しています。
なので近隣の国の言葉や、祖先の国の言葉、また世界で通じる英語を話せる人がほとんどです。
ドイツ人ではお年寄りを除いてほとんどの人が英語を流暢に話せますし、フランス語やオランダ語などを話せる人もたくさんいます。
ドイツへ行ってドイツ語を話せなくても、旅行程度であれば英語だけでも余裕で過ごすことができます。
日本人からすれば2カ国後話せるだけですごいのですが、以前ドイツの新聞で見たデータによると、平均して3カ国語を話せる人が一番多いそうです。
9. 必ず柔軟剤を使う
ドイツを含むヨーロッパはどこも硬水。
カルキをたくさん含んでいるので、髪の毛や肌だけでなく、洗濯物もガサガサになります。
なのでドイツでは洗剤だけでなく、柔軟剤も必ず一緒に使用します。
また、ドイツでは白物・色物用に別々の洗濯洗剤が売られていますが、分けずに洗える便利なシートも売っています。
ちなみに留学生仲間と話していても、ドイツの空港に降りるといつもドイツの柔軟剤の香りがするという人が多いほど、ドイツ人の香りの代名詞になっているとも言えます。
10. 空のペットボトルはお金になる
ドイツにはPfand(プファンド)と呼ばれるシステムがあります。
プファンドとは、英語でいうデポジットにあたり、スーパーなどに設置してある自動販売機のような機械に、Pfandのマークのついた飲み終わったペットボトル容器や空き缶、空き瓶を入れると0.25ユーロ(約30円)が戻ってくるというもの。
一般的なペットボトル飲料や缶飲料には大体このPfandのマークがついています。
これはエコ先進国のドイツならではのシステムですが、元々の値段にPfand分をあらかじめプラスして支払い、捨ててゴミにせずにリサイクルに出すと、その分が戻ってくるという仕組みです。
なのでドイツのホームレスの方は、街中に落ちているペットボトルを拾い集めて生計を立てていたりします。
まとめ
以上、ドイツの常識をご紹介しました。
日本とどちらが良いかは意見がわかれるところではありますが、知らずに訪れると少しびっくりするかもしれません。
その他にもレディーファーストであったり、ヨーロッパ共通の常識と思われることもたくさんありますが、今回はドイツに限定して紹介しました。
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