スイス音大留学Q&A

以前ドイツの音大留学に関するQ&Aを書きましたが、とっても好評だったので今回はスイスの音大事情に関しての質問にも答えていきたいと思います。

現在は私はスイスの大学院に正規で入学している現役生なので、答えられることはすべて答えていきたいと思います!

Q1. スイスは物価が高いけれど学費はどれぐらいかかりますか?

A. スイスで勉強するには年間250万円必要ですが、学費は日本より安い。

スイスは世界でもトップクラスに生活基準の高い国で知られていますが、物価は日本と比べて約2倍です。

スーパーやカフェでも値段はほぼ倍、マクドナルドでも2千円以下のセットはありません。

ですが、学費に関して言えばスイスは日本ほど高くありません。

私は国公立の大学院(Hochschule)に通っていますが、1ゼメスター(学期)1200フランほどしかかかっていないので、日本円にすると半年で約13万円

入学金もほとんどなく、始めの事務手数料を1万円ほど取られるのみ。

年間で計算すると学費は約24万円と、日本の国公立と比べても1/3ほどです。

ヨーロッパは基本学生に優しい国が多いので、学費やその他の学割など制度が整っています。

ドイツでは以前は学費が無料でしたが、2年ほど前からほとんどの州の大学はヨーロッパ人以外は有料になり、1ゼメスター約1500ユーロ約18万円)かかるようになりました。

なので現在は不思議にもドイツよりスイスの方が安い、ということになっています。

スイスの学費に関しては以前の記事で詳しく解説しています。↓

学費はそこまでかかりませんが、

日本人留学生はビザ申請に必要な21,000フラン(約250万円)の貯金残高の証明を提出しなければいけません。

これはビザの申請のために必要になりますが、合格すればすぐにその残高証明を学校に提出しなければいけません。

この250万円を払う必要はありませんが、これはスイスで一年間生活できる預金がある、ということを保証するためのものなんですね。

世界一物価の高い国と言われるスイスなので、外国人留学生はこれを以ってスイスで生活していけることを証明する必要があります。

ビザは一年に一度更新しなければいけないので、その度にこの残高証明が必要となりますので、常に250万円口座に残しておく必要があります。

Q2. スイスの大学に入るには何語を勉強すればいいですか?また語学試験は必要ですか?

A. 授業で必要になる語学の証明が必要です。ドイツ語圏ではドイツ語、フランス語圏ではフランス語。

スイスは公用語が4つもある珍しい国です。

割合でいうと、ドイツ語63%、フランス語22.7%、イタリア語8.1%、ロマンシュ語0.5%です。

ですがフランス語圏でもイタリア語圏でも小学校から必修となっているのはドイツ語なんです。

なので、基本ニュースや公に使われる言語はドイツ語ということになっていて、スイス人はみなドイツ語は共通して話せます。

ドイツ語が話せれば日常生活であまり問題はありませんが、

例えばフランス語圏のジュネーヴやローザンヌの大学ではもちろんフランス語が必要になります。

スイスの大学はドイツほど語学レベルの規定は厳しくありません。

ビザ申請時や入学試験の時に語学証明を出せれば全く問題なく進みますが、もし面接でうまく話せなかったり語学証明を持っていなければ、1ゼメスター目の最後にまた語学試験を受けなければいけません。

私の住むルツェルン州では、ビザ申請時に授業で使う言語が話せるという証明がなければいけない、と書かれています。

なので英語で授業が行われる学校では英語でも構わないし、フランス語で授業が行われる場合はフランス語の証明が要るということになります。

スイスでは問題なく英語が通じるので、学部や先生によっては英語だけで大丈夫、という場合も無きにしも非ず。

基本的に理解できればほとんど問題ないですが、語学試験の合格証明を持っていれば確実、と言えますね。

Q3. スイスの音大のレベルは高いですか?入試の難易度は?

A. 個人差が大きいですが、ドイツの音大よりは入りやすく日本の私立音大よりは難しい。

世界中から受けに来るドイツと比べたらスイスの入試のハードルは低いですが、これはもちろん学校のレベルやクラスにもよります。

ドイツではアジア人(特に韓国)や移民、他のヨーロッパ諸国からの受験生がとても増えてきているので、倍率が高く、必然的に難易度も上がっています。

それに比べスイスは経済的な事情でそもそも受験できる人が限られるので、その点で入りやすいと言えます。

スイスでもローザンヌ音大などは特にレベルが高いと言われているので、決してスイスの音大のレベルが低い、というわけではありませんが、

一定のお金がないとそもそもビザを申請することも入学することもできないので、どれだけ上手くても経済的に厳しい人はあらかじめ省かれている、という点では入りやすいと言えますね。

ドイツやフランスと同じく、クラスに空き(Platz プラッツ)がないと新しい学生をとることができないので、合格する人数や入試の有無などは毎回違い、入試がない学期もあります。

スイスやドイツの音大の選び方、Platzの制度についてはこちらの記事で紹介しています↓

Q4. スイスの入試と学期の始まりはいつ?

A. 入試は11月、4月の年2回行われ、入学時期は2月と9月。

スイスは学期の始まる時期、入学の時期が日本ともドイツとも違います。

大学にもよりますが、大体は2月入学のための入試は11月に、9月入学のための入試は4月に行われます。

私の大学では学部の入試が年に2回、それ以外の修士の入試は4月の1回、と定められています。

日本では春休みの時期に学校が始まることになります。

最後に

いかがだったでしょうか?

最近はドイツの音大の人気がすごく上がってきていて入るのが相当難しくなっています。

ドイツの入試が上手くいかなくて悩んでいる人を何人も見てきましたが、もし初期費用され準備できるのであれば、スイス留学をおすすめします。

人も優しく日本より治安も良いという珍しい国です。

ドイツとスイスの大学院に通った経験からして、スイスは穴場だと思います。

学生で節約して暮らせばドイツとほぼ変わらない生活費で過ごすことも不可能ではありません。

ドイツ語圏の大学がよければ、ドイツ以外にもスイスやオーストリアに留学するという手もあるので、気になった方は是非調べてみてください。

また、海外の音大留学自体を迷っている場合はぜひこちらの記事も参考にどうぞ!

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